〜T.N氏の書評〜ビタミン剤としての組織論(後半)

組織戦略の考え方:企業経営の健全性のために」(後半)



■私は今まで事ある度に、「実務家がバブルを膨張させ、理論オタクが国家財政を破綻させた。」と主張し続けてきました。



象牙の塔の人間は俗世間の愚かさを嘲笑しつつも、世間からは忘れ去られ、一方でかつて一流と呼ばれた日本の大手企業も、幅を利かせていた体育会系ビジネスマンの力は萎えています。この観点からは、私は沼上氏のような大学教授がもっと増えることを期待します。



■話を本書の事に戻しますと、読み終えた後、これは決して組織論の入門書でもないということに気づくはずです。



■本書は幸いにも、見ただけでうんざりして、絶対に開く気になれないページ数の多い、分かりにくい翻訳なのに数千円もする米国ビジネススクールのテキストでもありません。ぜひ、本書で言うところの「バランス感覚のある宦官」などにならず、役員のみなさんにメモでもつけて送りつけて下さい。



■最後に、様々な意味で本書によって勇気付けられた人は、エネルギー業界にいる人以外でも参考になる本として、官僚的日本企業共通の問題点を皮肉たっぷりに野次っている『電力・ガス自由化「勝者の条件」』(今村英明著/エネルギーフォーラム社)もお勧めします。こちらは笑えなくて悲しくなりました。





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