顧客の言いなりになると最後は奴隷になる

■日本のみならず世界中でデフレが進行しています。このような時代には資産格差は決定的なものとなり、さらには収入減少というキャッシュフローの先細りで、貧富の格差はどんどん拡大していきます。

将来、奴隷や農奴並みの地位に転落する人の割合が圧倒的に高くなり、しかもこの流れはいったん始まると不可逆的になる可能性が高いのです。



■デフレ時代に成功したとされる企業でも、実は現場の社員は顧客のわがままの奴隷と化して、「労働時間増加⇒時間給の低下」という、個人版デフレスパイラルに拘泥しているのではないかと私は考えます。

あるいは伝統的大手企業でも市場の成熟化によって、顧客の満足度が上がれば上がるほど赤字を出し続ける事業に手を焼いているのではないでしょうか。

もしこのような状況に嵌っているのであれば、「プロダクトアウト戦略」(伊藤修著/ダイヤモンド社)を一読することをお勧めします。



■その理由はこの本は難しい戦略論の本ではなく、きわめて当たり前のことが書かれてあるからです。読み終えれば、少なくとも真面目に頑張るだけではダメなことが再確認されるでしょう。次の企画書や提案書作成時に、「差別化」などという陳腐な単語を安易に使わなくなると予想しています。しかし、生き残るのに何か特別な資質が先天的に必要でないこともおわかりいただけるはずです。



■本書は全体的に一般ビジネス書としてわかりやすく書かれているため、戦略論の本としては多少端折ったところもあり、すべてを鵜呑みするのは危険だということはまずお断りさせていただきます。例えば筆者は、経営資源獲得手段としてアライアンスによって時間を買うことを勧めていますが、一般にアライアンスやM&Aといったものはそう簡単には成功するものではありません。このような部分につきましては、さらに興味が広がれば例えば「競争優位のアライアンス戦略」(ゲーリー・ハメル、イブ・ドース共著/ダイヤモンド社)等をお読みになることをお勧めします。



とにもかくにも、各人が泥沼から抜け出ることを真剣に考えなければ,明日はない時代に既に突入しているということは事実です。



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